後ろから、

「ラブちゃん、こんにちは」

と、おじいさんに声を掛けられた。


なぜラブの名前を知っているのか疑問に思い尋ねると、
単にラブラドールだから「ラブちゃん」と呼んだとのことだった。


その方は、以前黒ラブを飼っていて、この辺りでいつも散歩をさせていたらしい。

その黒ラブが肺炎になったことや、その経緯‥
爪の付け根が化膿した話‥

苦しがっているのに肺炎がなかなかわからず、動物病院を転々とした話など、たくさんのエピソードを話してくれた。

9年の命だったそう。

「大型犬は10年ちょっとというけど、9年は短いだろう‥?
俺は、化膿していたのに気付いてやれなかったんだよ。
それに、肺炎もなかなかわからなかったから、そういうのもあって9年だったんじゃないかなぁ‥」

語り口調はとても優しかった。


「いっぱい可愛がってあげてな」

と、その方はその場を去ったが、再度私たちの元にやってきて、

「これをいつも持っているんだよ」

と、小さなケースを見せてくれた。


その中には、9歳で逝ってしまった黒ラブの骨の一部が入っていて、

ケースには、

“マリン”と手書きで記してあった。


ほんの小さなケースなのに、そのおじいさんの大きな愛情を窺い知ることができて、私は涙がこぼれそうになった‥。

一生知り合うことなく通り過ぎてしまったかもしれない人たちと、ラブを通して、こんな風に温かい会話ができることが私は嬉しい。


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